鑑定評価書と調査報告書
依頼者の方々に業務の成果として提出する書類には大別すると不動産鑑定評価書と不動産調査報告書があります。
不動産鑑定評価書は、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき不動産鑑定士等がその資格を表示する署名捺印を行うことにより作成されるものであり、その記載事項等は国土交通省が定める不動産鑑定評価基準に詳細に定められています。
不動産の鑑定評価とは「現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる市場で形成されるであろう不動産の市場価値を表示する適正な価格(正常価格)を的確に把握する作業」ですが、鑑定評価の手順の中でこの正常価格が形成される条件を具現化しなければなりません。
したがって、完成に至るまでの課程において各種の分析・判断や多くの作業が必要となるため、通常、約2〜3週間の時間をいただいております。
しかしながら、不動産鑑定評価書は、公的機関(税務署、裁判所、地方公共団体)等にも対応するものであり、このような第三者に提示されることが予想される場合等にもご活用頂けます。
一方、不動産調査報告書は、鑑定評価書の形式をとらず、その記載事項等を一部簡素化したものです。 専門家としての不動産の現地調査、法務局調査、法令上の制限調査、近隣調査等の上記鑑定評価書の作成に当たって踏むべき手順は省略せずに行いますが、鑑定評価手法の適用等を一部簡略化しております。
つまり、調査報告書は、鑑定評価書とは異なり法的な記載制限がない書類と言えます。しかしながら、その内容は鑑定評価書に比べ「信頼度が劣るもの」ではありません。
そして、このような一部簡略化することにより、ご報告までの期間の短期化(1週間程度)や報酬の低価格化を実現しております。「価格を早く知りたい」、「費用をあまりかけたくない」といった場合で正式な鑑定評価までは必要ないが、簡便な様式でも充分に間に合うといった場合に適したものがこの不動産調査報告書と言えます。
調査報告書は、法的な記載事項等の制限はありません。依頼者が依頼目的や予算等を考慮して、評価手法を下記の中から選択していただくことも可能です。そして、その選択内容によって「評価方式の適用」及び「試算価格又は試算賃料の調整」に関する記載が異なります。
項 目
主な評価手法
鑑定評価書
調査報告書
鑑定評価方式の適用例
宅地(更地)
公示価格・基準地価格からの比較
○
△
取引事例比較法
○
△
開発法(注1)
○
△
土地残余法(注2)
○
△
建物及びその敷地
原価法
○
△
取引事例比較法(注3)
△
△
収益還元法(直接還元法)
△
△
収益還元法(DCF法)
△
△
建物のみ
原価法
○
△
建物残余法(注4)
△
△
試 算 価 格 の 調 整
○(注5)
△(注6)
○: 適用有り
△: 対象不動産の性格、依頼内容等によりケース・・バイ・ケースで適用します。
注1: 宅地・戸建・マンション等の分譲想定が可能な場合に適用します。
注2: アパート・マンション等の賃貸想定が可能な場合に適用します。
注3: 規範性の高い取引事例が収集可能な場合や、敷地上の建物が区分所有建物の場合に適用します。
注4: 建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における建物のみの鑑定評価(部分鑑定評価)に
おいて適用します。
注5: 対象不動産の種別・類型によっては、複数の価格を試算できない場合があります。注6: 依頼内容に
よっては、複数の 価格を試算できない場合があります。
不動産の鑑定評価や調査は単に価格や賃料を求めるだけでなく、お客様の問題解決や業務の円滑化に貢献する事に意義があると考えます。
作業スケジュールや評価条件・評価方針の設定などについて、お客様と十分にご相談・ご説明させていただいたうえ、必ず「満足度の高い結果」をご提供いたします。前に戻る